リノベーションで耐震補強
- リフォームお役立ちコラム
「この家にかなり長く住んでいるけれど、耐震性能は大丈夫だろうか?」
「中古戸建を購入したいけど、古いと地震が来た時に耐えられないかも……。」
住宅の耐震性能に不安があると、安心して住み続けることは困難ですよね。
実は、古い物件でもリノベーションをすることで、耐震性能の高い安心した住まいに生まれ変わらせることができます。
こちらのページでは、耐震リノベーションのメリットや施工の流れ、リフォーム業者の選び方についてご紹介していきます。
適切なリノベーションを行い、長く安心して住み続けられる住まいづくりを行いましょう。
目次
耐震性能はどのくらい?
リノベーションを行うために、住宅の耐震性能が気になるけれどどうやって調べたらいいかわからない……。
このような悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
ここでは簡単に耐震性能を推測する方法と、より詳細に調査する方法についてご紹介します。
築年数が鍵
建築基準法によって定められた耐震基準は、大きな地震の発生のたびに少しづつ改正されています。
そのなかでも特に1981年の改正以前のものを「旧耐震基準」、以降のものを「新耐震基準」と区別しています。
旧耐震基準は震度5までの地震に耐えられるように、新耐震基準は震度7程度でも倒壊しないように設定された基準です。
また、2000年に行われた改正でもさらなる基準の明確化がなされており、それぞれの改定で建物の耐震性は大きく変わってきます。
築年数が40年以上の物件は旧耐震基準で建てられている場合が多く、地震が来た際に倒壊する可能性が非常に高い物件です。
築25年以上の物件も、最新の基準で建てられたものではないため、今後大きな地震が来た際に耐えられるかはわかりません。
マンションや賃貸アパートに引っ越しを検討している場合、その物件の築年数や耐震リノベーションが実施されているかなどを確認するのがおすすめです。
また自宅の築年数が何年なのかを確認することで、おおよその耐震性能を確認することができます。
もし上記に挙げた築年数以上であるならば、耐震リノベーションを検討し始める必要があるでしょう。
耐震診断を受けてみる
建物の耐震性は、用いられている建材や地盤の強さなど、個々の物件によって築年数だけでは測りきれない様々な注意点があります。
より詳細に物件の耐震性を調べるためには、耐震診断を受けることがおすすめです。
耐震診断の方法は、(一社)日本建築防災協会が定めている基準があります。
耐震診断の調査結果から耐震診断書が作成され、総合評点に基づき評価されます。
総合評価 1.5以上 : 倒壊しない
総合評価 1.0以上~1.5未満 : 一応倒壊しない
総合評価 0.7以上~1.0未満 : 倒壊する可能性がある
総合評価 0.7未満 : 倒壊する可能性が高い
参考:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合
現在、全国の自治体で耐震診断の費用に対する補助金制度が実施されています。
リノベーションを検討していて築年数や立地条件に不安のある方は、ぜひ耐震診断を受けてみましょう。
耐震リノベーションでは何をするの?
施工の主な流れ
ここでは耐震リノベーション工事を行う際の基本的な流れについてご紹介します。
1.耐震診断の実施
リノベーション工事を始める前に、まず建物の現状を把握するための耐震診断が行われます。
建物の構造や地盤、周辺環境などを調査し、耐震リノベーションに必要な補強や改修箇所を特定するのが目的です。
2.計画と見積もり
分析結果をもとに、建物の耐震補強工事の計画を立て、工期や費用の見積もりを行います。
3.施工
実際の施工内容については、建物の状況や改修箇所に応じて異なりますが、代表的なものには、柱・梁・壁の補強などがあります。
壁の取り壊しやクロスの張り替えなどのフルリノベーション工事を行う場合は、基礎工事の後に行い、顧客の希望に合わせた間取り・内装に変更します。
4.完了検査と引き渡し
リノベーション工事が完了したら、耐震性能を検査し安全性を確認します。その後、引き渡しが行われ、完成です。
代表的な施工内容
建物ごとに必要となる補強工事の内容は異なりますが、ここでは特に行われることの多い、代表的な施工内容についてご紹介します。
基礎部分
旧耐震基準によって建てられた住宅に多いのが、基礎部分に鉄筋が入っていないというものです。
住宅の「根」とも言われる基礎部分が脆弱だと、地震が来た時に倒壊するリスクが高くなります。
基礎部分にアンカーボルトを埋め込んだり、鉄筋コンクリートの基礎を足したりすることで補強を行います。
土台部分
古い物件に多い木造建築では、シロアリによる土台の腐食という問題を抱えていることが非常に多いです。
木造住宅の耐震リノベーションでは、シロアリの駆除や、土台の交換、防蟻処理などを行い健康な土台作りを行います。
壁部分
住宅の倒壊を防ぐための手段として、壁の補強があります。
筋交いを入れ金属で固定したり、耐力壁と呼ばれる耐震性の高い壁に変更するなどして補強します。
接合部分
木造住宅の多くは柱や梁などそれぞれのパーツごとに接合部を切り出し、それらが噛み合うことで接合されています。
しかし築年数が経つにつれ、嚙み合わせが悪くなり建物を支えることが困難になってしまいます。
2000年に改定された耐震基準に従い、特定の接合金具を用いることでしっかりと固定させることが可能です。
耐震リノベーションの施工費用相場は?業者選びのコツは?
耐震リノベーションを行う際に気になるのが費用相場です。
ここでは施工費用の相場と、実際に業者へ依頼する際に気を付けたいポイントをご紹介します。
リノベーション工事費はいくら?
施工内容やどの程度耐震性を高めるのかによって費用の変動はあります。
耐震補強工事を行う際の費用相場は、約150万円です。
住宅の耐震性能によって工事費は変わっており、新耐震基準で建てられた戸建ては150万円以下、旧耐震基準で建てられた戸建ては200万円前後での施工が主流となっているようです。
単純な内装のリフォームよりも工事費用が高くなってしまうというデメリットはありますが、家を建て替えるよりはるかに安価で耐震性能をアップさせることができます。
耐震のみを目的とした戸建てのリノベーションであれば、150~180万円程度の予算が必要です。
耐震工事に加えて内装リノベーションも同時に行う場合は、クロスの張替や床材の交換などどこまでリノベーションするかで費用が異なるのでご注意ください。
良いリノベーション業者を見極めるコツ
長く住み続けるためのリノベーション、悪徳業者によって台無しにされたくはないですよね。
満足のいくリノベーションを行うためには、依頼する業者選びが重要となります。
業者選びでは、耐震リフォームに十分な知識と実績があるかを事前に確認することがコツとなります。
リフォーム業者のホームページや施工事例、口コミなどを確認し、後悔しない耐震リノベーションのために信頼できる業者に依頼しましょう。
まとめ
耐震性に恐れのある住宅をリノベーションする際の流れや必要な知識をご紹介しました。
長く住んだ一軒家のリノベーションや、中古住宅を購入してリノベーションを行うタイミングで、あわせて耐震工事を行うことで住宅の寿命を延ばすことができます。
すでに断熱性の向上や間取りの変更などの大きなリノベーションを検討している方は、同じタイミングで耐震リノベーションを行うことがおすすめです。
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